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ラグビーの試合を見ていると、レフリーがイエローカードを出し、選手がグラウンドの外へ出ていく場面があります。実況で「シンビン」という言葉を聞いて、「何分で戻ってくるの?」「レッドカードとはどう違うの?」と気になった人もいるのではないでしょうか。
この記事では、ワールドラグビーの競技規則「Laws of the Game」の2026年版(第9条「不正なプレー(Foul play)」)、ワールドラグビーの規程(Regulation 17)、ワールドラグビーのグローバル・ロー・トライアルの案内ページをもとに、シンビンとイエローカード・レッドカードのしくみを5つのポイントにまとめます。英文の日本語は、この記事での訳です。後半の、観戦で役立つ見方は、この記事の提案です。
※競技規則や試験的ルールは、大会や国・地域の協会によって扱いが異なる場合があります。観戦する大会のルールは、大会や協会の案内を確かめてください。
シンビンとは
一時的な退出のこと
ワールドラグビーの規程(Regulation 17)では、イエローカードによる一時的な出場停止(Temporary Suspension)を、レフリーから警告を受けた選手が、プレー時間で10分間(7人制ラグビーでは2分間)、競技区域から一時的に出される措置だと定義しています。その時間を過ごす場所が「sin bin(シンビン)」と書かれています。
不正なプレーへの罰
競技規則第9条の原則では、不正なプレーをした選手は、注意を受けるか、イエローカードを示されるか、退場を命じられなければならないとされています。シンビンは、このうちイエローカードにともなう措置です。注意だけで終わる場合もあれば、カードが示される場合もあり、どの処置になるかはレフリーが判断します。
シンビンとカードを知る5つのポイント
ここでは、ワールドラグビーの競技規則と規程から、シンビンとカードについて押さえておきたい点を5つにまとめます。
1. イエローカードは10分間
競技規則第9条29項では、選手が警告を受けて10分間の一時退出となるとき、レフリーはその選手にイエローカードを示すとされています。
2. 7人制では2分間
規程(Regulation 17)では、7人制ラグビーの一時退出の時間は2分間とされています。15人制と7人制で時間が大きく違う点に注意が必要です。
3. 2枚目のイエローは退場
競技規則第9条29項では、イエローカードを受けた選手がその後さらにイエローカードに当たる反則をした場合、その選手は退場させられなければならないとされています。
4. レッドカードはその試合に戻れない
競技規則第9条30項では、選手が退場を命じられるとき、レフリーはレッドカードを示し、その選手はその試合にそれ以上参加しないとされています。退場した選手は交代できないとも書かれています。
5. エリートラグビーでは20分後の交代も
2026年版の競技規則には、「エリートラグビーのみ」として、意図的で非常に危険な行為の場合は交代できないが、それ以外の行為の場合は、退場した選手の代わりにプレー時間で20分後に交代できるという規定があります。
5つのポイントの早見表
| ポイント | 競技規則・規程の内容 |
|---|---|
| イエローカード | 警告と10分間の一時退出(シンビン) |
| 7人制 | 一時退出は2分間 |
| 2枚目のイエロー | 退場 |
| レッドカード | その試合にそれ以上参加しない。交代もできない |
| エリートラグビー | 意図的で非常に危険な行為以外は、20分後に交代可 |
表の内容は、ワールドラグビーの競技規則と規程をこの記事でまとめたものです。
20分レッドカードの経緯
2025年5月にグローバル・ロー・トライアルへ
ワールドラグビーの発表(2025年5月21日)によると、ワールドラグビー理事会は、エリートレベルの大会での「20分レッドカード」のグローバル・ロー・トライアル(世界共通の試験的ルール)を承認しました。発表では、グローバル・ロー・トライアルは、試験的ルールが正式な競技規則になる前の最終段階だと説明されています。
しくみ
同じ発表では、意図的または故意と判断されない不正なプレーをした選手はレッドカードを受けて試合から退くものの、そのチームは20分後に控え選手を入れて人数を元に戻せると説明されています。意図的で非常に危険な不正なプレーについては、レフリーは引き続き、完全なレッドカードを出す権限を持つとされています。
2枚のイエローの扱い
発表では、2枚のイエローカードは、2つ目の反則が完全なレッドカードの基準に当たる場合をのぞき、20分レッドカードとして扱うと説明されています。
試験の期間
ワールドラグビーの案内ページでは、この試験的ルールは2025年7月1日から競技規則の資料に加わり、2026年に理事会が正式な規則にするかを見直すまで実施されると説明されています。
| 年月 | 出来事(ワールドラグビーの発表・案内より) |
|---|---|
| 2025年5月21日 | 理事会が20分レッドカードのグローバル・ロー・トライアルを承認 |
| 2025年7月1日 | 試験的ルールの文言が競技規則の資料に加わる |
| 2026年 | 理事会が正式な規則にするかを見直す予定と案内 |
現在の扱いは、ワールドラグビーや観戦する大会の案内で確かめてください。
「エリートラグビー」とは
新しく加わった定義
ワールドラグビーの案内ページでは、20分レッドカードの試験的ルールにあわせて、「エリートラグビー」という新しい定義が加わったと説明されています。エリートラグビーとは、個々の協会や大会が決める、特定の競技規則や手順、規程を使うべきプロのレベルのラグビーだとされています。
交代で戻れる選手
あわせて、第3条(チーム)の戦術的交代についても、エリートラグビーに限り、条件を満たすレッドカードを受けたチームメイトの代わりに、プレー時間で20分が経過したあとに、いったん交代した選手が戻れるという項目が加わったと説明されています。
カードが出たあとの手続き
試合の再開
ワールドラグビーの競技規則のページでは、第9条29項(イエローカードと2枚目のイエローによる退場)について、プレーはペナルティで再開すると書かれています。
レフリーの報告
規程(Regulation 17)では、一時的な出場停止(イエローカード)について、次のような原則が示されています。大会や協会によって必要な調整が加わる場合があるとされています。
| 手続き | 規程(Regulation 17.9.2)の内容 |
|---|---|
| レフリーの報告 | 一時的な出場停止を科した試合の終了時に、それぞれを報告しなければならない |
| 報告の送付 | 合理的に可能な場合、試合終了後2時間以内に、主催する協会や大会の担当者へ送る |
| 関係者への送付 | 主催する協会や大会は、受け取ってから48時間以内に関係者へ写しを送る |
| 異議の申し立て | 選手には異議を申し立てる権利があり、申し立てる場合は通知から48時間以内に知らせる |
累積の扱いは大会ごとに
同じ規程では、イエローカードなどが重なった場合の処分の扱いについて、各協会や大会の主催者が規定を設ける義務があるとされています。カードの累積による処分は、大会ごとのルールを確かめる必要があります。
観戦で役立つ見方
ここからは、ワールドラグビーの競技規則と規程をもとにした、この記事の提案です。
数的不利の時間を意識する
シンビンの10分間、そのチームは1人少ない状態で戦うことになります。点差だけでなく、その10分間にどちらのチームが得点したかに注目すると、試合の流れが見えやすくなります。
15人の役割の穴に注目する
1人少なくなったチームが、どのポジションの穴をどう埋めるのかに注目するのも、観戦の楽しみ方の一つです。スクラムやラインアウトの人数、バックスの並び方の変化を見てみると、チームの工夫が見えてくるかもしれません。
7人制は2分間に注目
7人制では一時退出が2分間です。試合時間が短い7人制では、この2分間の攻防が勝敗に大きく影響することもあるので、スコアボードの時間と合わせて見てみましょう。
レッドカードの種類を確かめる
エリートラグビーでは、レッドカードでも20分後に交代できる場合と、交代できない場合があります。観戦する大会でどのルールが使われているかを、事前に大会の案内で確かめておくと、カードが出たときに戸惑いにくくなります。
シンビン明けの時間をメモする
イエローカードが出た時刻をメモしておくと、選手がいつ戻ってくるのかの目安になります。規程では「プレー時間」で10分間とされているので、試合の時計と合わせて見てみましょう。
カードの理由に耳を傾ける
テレビ中継では、レフリーの説明や解説者の話から、どんな反則でカードが出たのかがわかることがあります。カードの理由に注目すると、選手の安全を守るためのルールの考え方にも触れられます。
シンビンのよくある質問
シンビンは何分?
15人制ではプレー時間で10分間、7人制では2分間です。
イエローカード2枚だとどうなる?
競技規則では、イエローカードを受けた選手がさらにイエローカードに当たる反則をすると、退場させられなければならないとされています。
レッドカードで退場した選手の代わりは入れる?
競技規則では、退場した選手は交代できないとされています。ただし、エリートラグビーでは、意図的で非常に危険な行為以外の場合、20分後に交代できるとされています。
イエローカードのあと、試合はどう再開する?
ワールドラグビーの競技規則のページでは、第9条29項について、プレーはペナルティで再開すると書かれています。
20分レッドカードと2枚のイエローの関係は?
ワールドラグビーの2025年5月の発表では、2枚のイエローカードは、2つ目の反則が完全なレッドカードの基準に当たる場合をのぞき、20分レッドカードとして扱うと説明されています。
カードの累積で出場停止になる?
規程では、カードが重なった場合の処分の扱いについて、各協会や大会の主催者が規定を設けるとされています。大会ごとのルールを確かめてください。
シンビン中の時間には何が含まれる?
規程では、一時退出は「プレー時間(playing time)」で10分間とされています。
シンビンのしくみを知ってラグビー観戦を楽しもう
シンビンは、イエローカードを受けた選手が一時的に競技区域から出される措置で、15人制では10分間、7人制では2分間です。2枚目のイエローは退場となり、レッドカードを受けた選手はその試合に戻れません。エリートラグビーでは、意図的で非常に危険な行為以外のレッドカードの場合、20分後に交代できる規定もあります。ルールを知って、カードが出た場面も楽しんでみましょう。